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2007.10.04

宮本武蔵

 「彼を知り己を知れば百戦危うからず」という孫子の教えは今に通じます。相当昔に宮本武蔵を読みました。これまで何回も部分的に読み返しています。ここにきて、どうしても全編を通して読み返したくなり、この二ヶ月をかけて、改めてページを繰りました。一回目とは違ったところに気がつき、不思議と新鮮な感じを受けました。というよりは、なんだか、吉川英治の執筆姿勢と苦悩が伝わってきます。ストイックを心がけながらも煩悩に苦しむ武蔵、煩悩だけに囚われる人々。なかなか新鮮です。武闘家の先生方には二論あるようですが。吉川英治は実によく研究している、というのが大半のようです。いくら狭い日本でも、よくも都合よく出会うものだななどと、子供の頃はおもしろがっていました。読んでいると眠くなるところも確かにあります。どちらかというと、新聞連載特有の波のようなリズムがあります。しかし、現代社会にあって、武蔵は「己」の生き方を明確に示唆してくれます。読み始めると必ず引き込まれます。昭和の名作です。今後も読み継がれるでしょう。映画やドラマも楽しみです。長編ですが、是非ご一読を。


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